プラチナ・ラブ

「調べたよ。
母親の浮気が原因で両親が離婚。
母親に引き取られたが、母親は男の家に入り浸り。
滅多に帰ってこない」


……最低。

人のプライバシーを勝手に……。


「アイツもお前と同じぐらいすげぇ人生送ってんな。
ま、ある意味お似合いなんじゃね?」


そう言ってププッとバカにしたように笑う……この人。


「アイツも可哀想にな。
お前みたいな女に惚れられて。
お前といたら不幸になるぞ。
何てったって疫病神だもんな」


ははっ!と楽しそうに笑われた。


……もう我慢できない。


「運転手さん、車止めて!!」


運転席に乗り出しながら運転手さんに声をかけた。


「おい、何言って……!!」

「あたしといたら不幸になるんでしょ?
だったら、こっちから出ていってあげる!」


車が路傍に止まると、あたしは急いで車を下りた。


「……最低!」


そう捨て台詞のように吐いて、あたしは走り去った。

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