voice-ヴォイス-



あたしは友達と別れて家路についていた。


家なんか帰りたくない。もっと友達といたかった。


家なんかに帰るよりもずっとずっと友達と話していたいのに―――。



そんな歪んだことを思いながら歩いていた時だった。


目に見覚えのある軽車両が映った。


母親が運転する車だ。



今日は共働きの両親もお互い仕事が休みで親戚の法事に出かけていた。


その帰りなのか、運転席に座る母と、助手席に座る父が見えた。



家の外で見るなんてサイアク―――。



なんてため息をついたそんな時だった。


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