オトナの秘密基地
「ふうん。それでオムツ買って帰る訳か。

……もしかして、家を出ようと考えてうちのマンション見に来た、とか?」


ああ、何て鋭いんでしょう。


「その通りです。

最近妹達がやりたい放題で、甥が私の部屋まで荒らすようになりました。

そんなこんなで、私もそろそろマンション買っておひとり様生活を始めようかな~、なんて思って……」


「それじゃあ、提案があるんだけど、聞いてみないか?」


「提案、ですか?」


提案の内容に思い当たることがあった。

きっと、あのマンションを貸してくれるに違いない。

だって、中田さんは既に、あの大きな家を持っているのだから、と。


「実家、出たいんだろ?」


「はい、出たいです」
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