オトナの秘密基地
「でしょう?

ごく普通のマンションの一室を活用するんだよね?

だったら、知る人ぞ知る大人の隠れ家みたいな感じの場所にするのはどう?」


さすが園子。

元々販売員としてはなかなかの実績を上げていた上に、菓子屋の嫁として更なる商才を身につけている。

その時、中田さんが戻って来た。

私にそっと笑いながら耳打ちする。


「両親、無事だった。

いつもより半端なく長い昼寝をしていたらしいぞ」


それを聞いて、一安心。


「博矢、あの部屋をこんな風に使おうと思うんだけど、どうだ?」


今までの話をまとめて中田さんに伝えると。


「じゃあ、店の名前はこの4人の思い出の場所にちなんで『大人の秘密基地』っていうのはどうだ?」


「賛成!」

「いいね!」

「面白い」

「私達にも使わせて!」


こうして、子どもの頃の秘密基地は、20年の歳月を経て、リニューアルされることとなった。
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