オトナの秘密基地
つまり、あれからそれほど時間は経っていないはず。

でも、さっきよりずっと重苦しくて、また気が遠くなりそうな状態だった。

体調が悪くなっていることは、明らか。

これを何とかしないと、中田さんが本当に消えてしまう。

冷静に、冷静に。

まず、今起き上がったらきっと貧血で倒れるから、旦那様に甘えて横になっていよう。


「あの……ごめんなさい、お腹が張って苦しいんです。

少し横になっていたら治ると思いますから」


「解った。

今、布団を敷いてくる」


私の頭をそっと床に降ろして、旦那様は茶の間のすぐ隣の部屋へ。

先に敷いてあった布団には、既にカツヤが眠っている。

そこへ並べて、布団を用意してくれた。
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