東雲の支配者
第三章 陽咲
朝になると、不思議な事に季節は秋に変わっていた。

「陽咲の言った通りだ…。」

私が寒くて布団から出れずにいると…。

「おはよう。まだ寝てるの?」

突然枕元から声がして、私は驚きのあまり飛び起きる。

「陽咲、勝手に入って来ないでって言ったでしょ!それに、昨日の宴、なんなのよ!」

「まあまあ、そんなに怒らないで。今日は一日一緒にいられるんだから。」

「えっ?ほんと?」

「あぁ。亜夕、嬉しそう。」

「別にそんなんじゃ…。」

「さっ、そんな格好じゃ寒いから、これを着て。」

そう言って陽咲は私に厚手のカーディガンを渡してきた。

「さあ今日はどこへ行こうか。」

< 41 / 80 >

この作品をシェア

pagetop