シュガーレス
【第7章】オレンジスカイ
☆1
「ど、どうしたの?しんどいの?」
「…うん。」
美里と保健室を出た時、ドアの前に立っていた女。
どこかで見た事がある気がするが、名前は出てこない。
その女はこちらをチラチラ見るなり、俯いて黙ってしまった。
何だ、こいつ?
「あー、」
美里が、口を開く。
「あ?」
「あれだ、みっちゃん先帰ってて。」
「は?お前授業…」
「遅れて行くから、先生にうまい事言っといて。
なぎ、入ろ?」
「ちょ…っ!」
---ガラガラ、ピシャンッ!!
引き止める俺を無視して、再び保健室に入ると、ドアを思いっきり閉められた。
「何なんだよ…。」
独り言が虚しく、静かな廊下に響いた。