空蝉の光 -桜花乱舞-


また無意識に溜息が漏れた。



「大丈夫か、桜?」



「お父さん…」



お母さんはまだ怪我治ってないから無理は出来ないから、うちはお父さんしか来ていない。



「桜、婚約が嫌なら断っても良いんだぞ?」



お父さんは心配そうに私の顔を覗き込んで来る。



婚約を断ったら、お父さん達のことがバラされてしまう。



そんなことは許さない。



私は首を横に振った。





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