空蝉の光 -桜花乱舞-
「だから、何?」
でも、そんな私を救い出したのは、一哉君の一言だった。
私は驚いて、彼の顔を仰ぎ見た。
「残念ながら、その秘密はとっくに知ってたよ」
一哉君は悠然と恭介を見据えている。
「一哉君、それは何処で…?」
「ん?それは――」
「兄貴!悪い、遅れた!」
すると、一哉君の言葉を遮るように、彼の弟である直哉君の声が重なった。
直哉君の手にはボコボコに殴られた三人の男がいた。