空蝉の光 -桜花乱舞-
「これ、おすそ分け」
「わぁ、かりんとうだ!ありがとう!」
私は恭介が差し出した袋の中身がかりんとうだと分かると、自然に笑顔になった。
「お、おう…」
すると、恭介は目元を赤らめ、照れ臭そうに頭を掻いた。
どうして、赤くなるの?
「そういえば、桜。昨日、また騒ぎを起こしたんだってな」
恭介ははっと思い出したように、私の方を見た。
何と、情報の早い奴だ。
まあ、隠した所で、いずれはばれるしね。