空蝉の光 -桜花乱舞-
終章
それから数ヶ月後。
私はあの桜の木の下で一哉君の帰りを待っていた。
お義父さんの計らいで、彼はこっちの政府管轄の部署に配属された。
だから、彼は今日、こっちに帰って来る。
「早く来ないかな…」
私はこの数ヶ月間、一哉君の帰りを待ち望んでいた。
今日、やっと愛しい彼に会えることが嬉しくて、私は浮足立っていた。
それにしても…。