Restart
プロローグ
飛び方を覚えて間もない雛鳥が一羽、
風にあおられ
地面に落ちた。
翼を痛めた雛鳥は
羽ばたくことを諦めた。
青い空を見上げ、
いつか自由に飛び回ることを
夢見たことさえ忘れて。
傷は治っている。
だけど、飛べない。
何度も何度も、風が誘う。
もう一度飛んでみよう、
勇気を出して、と。
その声は雛鳥には届かない。
あたしは、意気地なしの雛鳥。
再び傷付くことを恐れて前に進めない
弱虫な雛鳥。