【短編】意地っ張りなキミに。
そんなある日のことだった。
休日いつものように部屋で参考書と睨めっこをしていると、
大学生の姉貴が突然怒鳴り込んで来たんだ。
「ちょっと歩夢!
アンタ、いつ沙羅ちゃんと別れたのよ!?」
――それはもう、ものすごい剣幕で。
部屋全体が震えるような大声。
俺は一瞬、何を言われたのかさえも分からずにいた。
いや、正確に言えば、分かりたくなかったんだ。
「姉貴……
今、なんて……?」
やっとの思いで俺が聞くと、
姉貴は軽くため息を吐きながらもう一度言った。
「だから……
いつ沙羅ちゃんと別れたのか聞いてるの」