【短編】意地っ張りなキミに。



「……なんだよ。そんなに驚くことないだろ?
化け物じゃあるまいし。

それより体調どう?少しは良くなった?」


「あ……うん。

私……」



沙羅はそう言いながら、何が起こったのかを思い出そうとしているようだった。



そんな沙羅に俺はできるだけ落ち着いた声で言う。



「――過労……だってさ」


「え……?」


「最近……かなり無理してたんだって……?」



俺の問いかけに、一瞬だけ沙羅が顔を歪ませた。


そして、聞こえるか聞こえないか分からないくらいのか細い声で、ゆっくりと話し始めたんだ。





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