禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~
 式も披露宴もうんと地味に、かつ2組合同で行った。それについては双方の親から反対されたけど、私達4人は頑としてそれを貫いた。

 私の両親を説得するのはさほど大変ではなかったけど、片桐さんのご両親を説得するのは大変だったらしい。大変どころか、半ば喧嘩だったそうだ。


 それはそうだろう。だって、片桐さんのお父さんは社会的な地位の高い人だから、子どもの結婚式は盛大に行いたかったに違いない。しかも二人が同時にその機会をふいにするのだから。せめてもの救いは、片桐兄妹の他にもう一人息子さんがいる事、かな。


「あなた達ったら、何も一遍に結婚しなくても……」


「お母さん、ごめんね?」


「そうだよ。急に母さんと二人きりになるなんて、俺は寂しいぞ」


「ごめんね、お父さん。ちょくちょく帰るから、許して?」


「絶対だぞ?」


「うん。お父さん達も、たまには遊びに来てね?」


「おお、そうだな。しかし、もう少し近くに住んでくれたらよかったのにな……」


 結婚式では、父も母も涙で顔がグシャグシャだった。私も、涙が溢れて止まらなかった。色々な想いがこみ上げたのと、両親への罪悪感で……


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