一緒に、歩こう





「さっきはごめん」




視線をうろうろさせながら、

あたしに謝る彼。





「何で…、別に謝らなくていいよ?」




「別に教室来てもよかったけど」




また、ほらね。

色々考えちゃうこと。





「見られたくなかった」




言うんだから。






「…え、」




「お前に」




「…ん?」





半分理解出来て、

半分理解出来ない。

あたしは首を傾げると。





「帰る」




そう言って、矢野くんは

1人玄関に歩いて行った。

今日は矢野くんに、

振り回された一日で。

いい思いと、嫌な思いを

した日だったな、と。

思いながらあたしは

職員室に戻った。



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