一緒に、歩こう
「あ、先生あけおめです!」
明るくそう言う彼女は、
いつもと変わらず
可愛らしい。
あたしは冷静に、
おめでとうと言葉を返す。
「隼人、話って?」
春野さんがそう言うと、
矢野くんとの間に
重苦しい空気が流れる。
「…あたし、出てくね」
ごゆっくり。
そう言って出て行こうと
した時。
「いい。出て行かなくて」
そこに居ろ。
そんな視線に動けなくて、
あたしは話を聞かないよう
作業に没頭することにした。
だけど、人間だもの。
耳がついている以上
聞こえてしまう会話。