一緒に、歩こう




本当は、ドキドキして

渡したかった。

あげた時の矢野くんとか、

食べた感想とか

聞きたかったけど。





「…あたし、もうダメだ」





自分に自信が無くなった。

もうあたし自身で、

立てなくなってしまった。





「嫌いになりたい」




あたしは車に乗り込んで、

ハンドルに顔を埋めて

その場を立ち去ることすら

出来なかった。



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