一緒に、歩こう
「ほら、思った通り」
6月の始めの今日。
海水浴になんて、
誰も来ない海岸。
そしてこの周りには、
家が1つもない。
「芽衣子」
矢野くんがあたしの名前を呼ぶ。
まだ慣れないあたしは、
少し驚いて矢野くんに
視線を向けた。
「こっちおいで」
あたしは腰かけている矢野くんの
隣に、静かに腰をかけた。
今日の天気は晴れで、
デート日和。
風も気持ちが良くて、
少し肌寒いくらい。
着いたのが丁度お昼くらい
だったため。
「あ、これ…」
あたしは大きな風呂敷を
広げ、弁当箱を
開けてあげた。