一緒に、歩こう




『芽衣子、あんたもういい歳じゃない。彼氏、いないの?』





「何、いきなり…」




突然電話をしてくるなり、

そう言ってあたしを責めてくる。





『実はいるんでしょ?連れてきなさいよ』




「え、でもなかなか時間作れないし」





何だろう、別に

隼人を紹介したくないわけでもない。

親を見せたくないわけでもない。

ただ唯一気になる事は、

隼人を親がどう思うか。

悪い目で見られるかとか、

そんなことを気にしている

わけでもない。

でもやっぱり年下っていうのは、

隠せない事実だし。

ましてや生徒だから、

何言われるか分からないし。





『もうお父さんも芽衣子が帰ってくるって大はしゃぎしてるわよ』





「そう、なの…」





結局勝手に決められ、

帰らなければいけないはめに。





「隼人、あのね…?」




お母さんの話をしてみると。

意外にも。





「行くよ。むしろこのまま会わないわけにはいかねぇし」





「え、そうだけど…いいの?」





「俺と付き合ってる時点で耳にしたら不安だろうし。ちゃんと腹割って、真剣に伝える」




と、こんな感じで。

動じることなく、

実家へ行くことが決まってしまった。






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