まだ君を愛してる
リアルに会いたい
あれから1週間が過ぎた。
バイトも休まずに行けたし、問題はない・・はずだった。
そう、俺が悩んでいたのは『俺らしい告白』である。

本来、自分らしさというものがアイデンティティとされる。
・・が、俺にはそのアイデンティティなるものがあるのかどうかすら疑問なのだ。

考えても考えても思いつかない。
彼女はきっと、普通の甘いムードの告白ではなく自分らしさのある告白を待ってると言いたいのだろう。

告白とはそもそも何をするのか?
チャットのなかでは、好きですと言って付き合うのが普通だろう。
リアルでは夜空に上がる打ち上げ花火なんかを見つめる女の子に告白するのかもしれない。
それもこれも俺の勝手な想像にしか過ぎないのだが。

「んんん・・もう頭いてぇよ!俺らしさってなんだよ・・アイデンティティって意味不!」

そこに妹がアイスを持ってやってきた。
だいぶ前にウインナーを奪った愚妹である。

「愚兄はアイデンティティも知らぬのか?」
「意味は知ってるよ。」
「じゃ、言ってみて。」
「自分らしさ」
「愚兄にしては・・よくできました。」
「なんだよ、その『愚兄にしては』って。」
「煮詰めても仕方ないぞ、自分らしさを求められてるなら自分の素で勝負したらいいんだよ。」

素の自分。
俺は愚妹に言われるまで気がつきもしなかった。
チャットでは美化されるけれど実際の俺は違う。
素の俺で勝負しろということだ。
俺は、愚妹にお礼を言って告白計画を練ることにした。

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