まだ君を愛してる
1時間なんてあっという間。
イルカのショーを見ていると、気がついたらもうすぐ15時になるところだった。

「もうこんな時間たってたんだ・・」
私は残念そうにつぶやいた。
すると、優輝君は「何時に帰る?」と聞いてきた。

「今日中に帰れれば何時でもいいんだー」
私はそう言った。
だけど、暗くなるに従って悲しくなってくる。

夕方になると、優輝君は水族館を出て海辺を散歩しようと言い出した。
散歩していると、優輝君は口を開いた。

「ねぇ、さくらちゃん。」
「なぁに?」
「俺、告白したいんだけど・・いい?」
「聞かなくてもいいのに。聞きますよ。」

そういって私は微笑んだ。
優輝君は私の目の前に立って告白文句を言おうとしている。

「俺・・さくらちゃんが好きです。よく知らないくせにって思うかもしれないけど、やっぱり好きなものは好きなんです。理由を聞かれたらそれには答えられません。好きに理由はいらないと思うから・・。俺、さくらちゃんのリアカレになりたい。・・だめですか?」

「だめ。」

「え・・?」

「私を愛してくれなきゃ嫌だからね!」

「わかってる。俺はさくらちゃんを幸せにする。付き合うっていうのも俺は結婚も視野に入れていきたいと思ってる。そのへんはさくらちゃん次第だけど・・。今は早いからね。
俺はさくらちゃんを愛してるんだ。俺と付き合ってください。俺のリアカノになってください!」

私の目の前で頭を下げる彼に私は笑って「喜んで」と答えた。
夏はまだ、終わりそうもない。
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