蒼空模様



だけど、

今回だけは先約がいた



「・・・・・・・・・何?」



じっと見てると、

その男の子が睨みつけてきた



足に、ギプスをつけて



「骨折?いたそー・・・」



「・・・そりゃあ、痛ぇよ。

 お前は・・・患者、だよな?」



「そう。夏休み中はずっとここ」



名前も知らない男の子に

それだけを言うと、

1冊の本を手に取る



子供が読むような、『のりものの本』



その横にある

『蒼空の写真集』




私の、大好きな本



「・・・サッカーしてるなら、

 将来の夢も、サッカー関係?」



「まさか。

 そんなに簡単になれない」









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