ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
笑いながら。

ファミレスの入り口で別れたあと、黒川さんが何だか奇妙な目でじっとあたしを見ていたような気がして。

あの黒い翳のある瞳に、何か異様なものが宿っていたような気がして。

それを思い出して、ちょっぴり気になった。


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ベッドに寝っ転がったあたしは、ふと思い出して、ケータイに手を伸ばした。

もう来年のカレンダーの予約が始まってる時期かもしれないと思って。


「薫 カレンダー イラストレーター」で検索してみる。


(あったあった)


「予約受付中」の文字が、表紙イラストの写真の上に書いてあった。

ぱっと目をひく、豊かな色彩。

繊細な、ひと目でわかる独特のタッチ。

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