それでも大好きなんです



「私が好きなのは優樹だけだよ」



「本当に?」



「本当だよ」



「じゃあどうして、あいつのことばっか見てるの?」



「見てないよ!」



「見てたよ。俺が夏希のこと誰よりも見てるから分かる」



「………」



何も言えなかった。

確かに私は拓哉が気になって、ときどき見てたから…



「やっぱり俺じゃダメ?」



「…ごめん。今は完璧には忘れてないと思う」



「うん」



「だけどね、こんなにも愛してくれる優樹を好きなのは確かだよ!今好きなのは優樹。拓哉は忘れられないだけ」



「…やだ」




< 111 / 230 >

この作品をシェア

pagetop