キミと一緒に。【完】
立ち上がり、再び構えた由斗の名前を呼ぶ。



「ん?」



「甲子園、今年も連れてってね」



「任せとけ!」



ガッツポーズを見せた由斗に、笑う。

春の甲子園に決められたホームランのボールは、確か倉元に渡された筈。

今回は、私が貰えたりするかな?

ああいう記念品のモノ、好き。



「優勝して、スカウトされたら、残りは一つだけだな…」



ボソッと呟いた由斗は、真剣な表情で、タオルで空気を切り裂いた。




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