恋*詠歌
深夜1時30分頃。
バイトの帰り、チャリを押しながら、ゆっくり歩く。



「彼女ができた……」



ボーっと話を聞いていたオレの耳にとまった意外な言葉。



「え?」

オレはとぼけた声で聞き返した。




「……彼女ができたんだよ!」




少し顔を赤くしながら話す長身のこの男は、田中 圭介。



オレと同じ大学のバイト仲間だ。
年の離れた兄弟もいる。兄弟や家族の話で意気投合し、オレらは仲良くなった。




そんな田中が照れくさそうに言う。



「オジョーと付き合ってるんだよ!」


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