シスコン総長VS溺愛総長!? 1R
俺は今も鮮明に覚えてるのに、当の本人は覚えていない


その事実が俺の胸に刺さる。


「そうか‥‥‥変なこと聞いたな‥」


俺の言葉に、黒龍はもう何も返さなかった。


俺はさっきまでレオが寝ていたベッドに腰を下ろした。


頭の中がぐるぐるして、なんとも言えない感じに支配されてた。


「‥‥ッチ」


小さく舌打ちが聞こえ、ゆっくり顔を上げると黒龍が病室から出ていこうとしていた。


「行くあてはあるのか?」


「ねぇよ。けど、ここにいたって同じだろ」


吐き捨てるように、言葉が吐かれる。


「がむしゃらに動いてたって何も始まらないだろ」


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