ただ、抱きしめて








私は家族の声を後ろに、走って病院まで来た


中庭に着くころには、息も上がって


ふらふらだった・・・




桜の木下にいつも通り


座ってる、秋希が見えた





「秋希っ・・・!!」





私の声が余程大きかったのか、


秋希は目を大きくして驚いた顔で振り向いた




どうしたの?

って顔をする秋希の目の前まで行って

私は口を開いた、




「今まで、ごめんなさいっ」


「今まで、秋希を嫌な目で見てた、
 私が一番嫌いな目で見てたの・・・」


「私、伝えるの怖かった・・・
 秋希をちゃんと見れない気がして。」




だけどね、



だけどね、ちゃんと伝えるよ。




もう、逃げたりしないから










< 12 / 18 >

この作品をシェア

pagetop