姫さまvs王子さま

† 気付く弱点

ーーーーー自宅。



妃「ただいま」


母「…もう帰ってきたんだ。帰ってこなくていいのに…」



鏡を見つめ必死に化粧しながら
返事の代わりに返ってきたのは
いつものお決まりの小言。





聞こえてるから、全部。




母「あたし今から仕事だから。あと勝手にして」



母は鏡越しにアタシを睨みつけながら
面倒くさそうに言葉を吐き捨てた。



妃「はいはい」



こんなの日常茶飯事。
もう慣れた。





毎日
家に帰ってくるのが気が重い。


アタシの家族って
いろいろ複雑。
むしろ面倒くさい。


父親はいない。
正式には不明。
母はアタシが子供の頃から
彼氏やら再婚やらしてるから
事実、父親なんてよくわからない。


兄弟だって
連れ子がいたくらいで
実の兄弟じゃないし。


複雑すぎて
居心地も悪い。



母は水商売の仕事してるから
夜はいつもいない。
顔を合わせるのは
夕方の数分のみ。


母はアタシの事が嫌いだし
アタシはそれ以上に嫌い。




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