School Daysなレクイエム!
学園祭

誤解があるに違いなかったのです。

身の回りに起こる不幸な出来事というのは、本人が確かに考え予定通り行動すれば、事前に防げるものでした。
その不幸をこちらが世話するということは、他者の甘やかしであったのです。


しかしこの慈善にはまだ誤解がありました。

慈善というものが、単に他者を甘やかしてしまうばかりでなく、自らは他者に対し有効に働いており、役に立つ有用な人間であると他者に思わせてしまう性質を持っている以上、自らの優越感を刺激し、より確かに高揚させる役割を果たしていたのです。

そのために、人は善性による行動はできないのです。
優越感と高揚がこの行為を支えており、これは慈善ではなく偽善でした。







第三章

『学園祭』




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