まだ好きです(完)

雛side

☆雛side☆

記憶……もどったんだ。本当に、戻ったんだね。私は自分の部屋のベットに横になって、ひたすら、さっきの言葉をリピートする。

”記憶戻った”

その言葉を頭の中でリピートするたびに、私の体温が1度上昇しそうな気分になる。ひとりで、きゃーーーーと、喜んでみたり。。女の子ってそんなものだよね。

「駿、私の事思い出してくれた。」


今までの私、無駄じゃなかった。そう思うと、嬉しさが込みあがってくる。……でも

「好きだよ」


新の告白。私はどう返事をするべきか。一日デート。するのかな?駿が記憶をなくしていた時、新から言われた「すき」という二文字は、私に自信をくれた。だから、のりに乗って、一日デートをOKしちゃったのかもしれない。


私は、今度駿に告白する。そう決めたのに、新とデートなんて、していていいの?なんて、疑問に思う。





「はあああ~~~。」


大きなため息をついた。もう、どうしたらいいのか、さっぱりわかんない。でも、新にいまさら、駄目とはいえない。


新のことは、好きだよ?……すっごく好き。でも、私は、


「駿。」


なぜか、無意識のうちに、私は彼の名前を呼んでいる。彼の名前を呼ぶことで、安心できるのかもしれない。



「雛ー。ご飯できたわよー。」


一階から聞こえてくる、お母さんの声。私は、その声を聞いて、はーい。とこたえた。
まだ、気持ちと頭の整理はできないない。




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