まだ好きです(完)
「あ~~~~~~!楽しかった!」

映画を見終わった後の幸せは、言葉では言い表せないほどだ。すっごく楽しい気持ちになる。新は余ったポップコーンを食べながら、私の顔を見ていた。


「もうさ!あの最後の展開がやばかった!ね!」

「よかったー。雛、喜んでくれて。」

新は、そう言って食べ終わったポップコーンの箱を、ゴミ箱に捨てた。

今日は新をふろうという覚悟できたのに……なんか調子狂う。駄目だ!もう迷わない!よし!言える。私はそういい続けた。大丈夫……いつか駿が言っていたときのように。

「えーっと、今は4時。もっとなんかする?」

「ううん。十分楽しかった。ありがとうね新。」

私は、そういうと新にVサインをおくって、にこっと笑った。やるじゃん!新!そういって、新の肩をポンと軽くたたいた。

「んで……もうそろそろ、聞いていい?告白の返事、」

「あ!そうだった。えっとー・・・」

「さっき、聞いたんだけど、映画に夢中で聞こえなさそうだったか」

「ええ!私そんなに映画に入り込んでた??うっそ!!!」

「うん。俺の存在を忘れてるくらいにー!」

「うっわ!ごめん!つい……!!!!!」


「いいよ。まあ、そこが雛のいいところでもあるし。」


うわーー。ほめてもらってる。こういうときの返し方がイマイチ慣れてなくて分からない。


でも、嬉しかった。


「新……?」

「何?」


私は、拳を握り締めた。新との関係が崩れるかもしれない。大切な友達を失うかもしれない。もう一生新に口聞いてもらえないかもしれない。でも…私は。


「私ーーーーーー……」


「まって。」

え?まって……って。

「ごめん、俺から聞いておいて、あれだけど、もう少しまって。」

「え……あ、うん」

「俺のこと、まだ雛にアピールできてない気がするんだ。だから、もう少し時間ちょうだい。んーと、んじゃあ、運動会が終わってから、体育館の裏で待ってる。」


「うん……。」


運動会。終わってから……??どうしよう。どうしよう。もう、言っちゃいたいのに、言ってスッキリしたいのに……

新をふるまで、駿に思いは伝えてられないよ。新、頑張ってるんだもん。こんな私のために。なのに、私が駿に告白したら、新は悲しむよね。


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