狼先輩。
「なんだか久しぶりだね、ことりちゃん」
爽やかに笑う大神先輩。
至って、普段通りだ。
「……そうですね」
本当はすぐに飛びつきたいけど、ここは教室の前だし、クラスメート達が見てる。
それに、なんだか私だけが先輩に会いたかったみたいで悔しいもん……。
「先輩……、私とは会わないんじゃなかったんですか?」
「まぁ、今はたまたま会っただけだからね。じゃ」
そう言って手を振って去ろうとする大神先輩。