狼先輩。
「……はい」
私は悲しいけど、ただ今“年齢=彼氏いない歴”。
小さく頷くと、
「だから、今回はこれでいいよ。それに、ことりちゃんだってファーストキスは好きな人としたいだろうしね」
先輩はポンポンっと私の頭を撫でた。
“これ”というのは、さっきのおでこちゅーのことだよね。
じゃあ、今回の口移しってのは、チャラになったんだぁっ!
やったぁー!!
ホッと胸を撫で下ろしていると、先輩が私の耳元に唇を寄せ、
「でも、ことりちゃんのファーストキスはいつか俺がもらうから、覚悟しておいてね」
と甘い声で囁いた。