狼先輩。
数分後。
――ガラッ
という扉が開く音と、
「よし、着いたよ」
という王子様のイケてるボイスが耳に届き、固く瞑っていた目をゆっくりと開けていく。
王子様はそんな私に微笑み掛けると、保健室内にあるソファーに私を降ろしてくれた。
「あ、ありがとうございます」
なんか精神的にすごい疲れたなぁ……。
はぁ、と王子様に気付かれないようにため息を吐く。
「先生いないみたいだね」
王子様は保健室を見回すと、私の目の前に片膝をついて、しゃがみ込んだ。