狼先輩。
「ふっ、今、ビクッてなったけど、暗くて怖いの?」
先輩が耳元で喋るものだから、吐息がかかる。
耳が、熱い。
暗いせいでビクッてなったんじゃないってわかってるくせに…。
ふっと鼻で笑った先輩は、ペロリと、私の耳を舐めた。
「ひゃっ…」
思わず変な声を出してしまった私に、クスリと笑みをこぼす先輩。
今、私すごい身体が熱い。
先輩が触れてる肩。
先輩が舐めた耳。
……きっと顔なんて真っ赤だ。
こんな顔、絶対に大神先輩に見せたくない。
今だけは、ここが暗いことに感謝しなきゃだな。