LOVE PRINCESS(陽呂&心菜)

3月14日-陽呂・中3




季節は3月。

俺にとって毎年困る月、到来。


“ホワイトデー”


バレンタインデーは、お菓子業界の陰謀だと捻くれた考え方も持ちたくなるよ、本当。


「どーすっかなぁ〜」

「どうしたの、陽呂?」


美鶴の部屋を自分の部屋かのように使う俺は、ベットに寝転んでゴロゴロ動き回る。


「ホワイトデーだ、ホワイトデー!」

「ホワイトデーが、どうかした?」


綺麗な顔を崩す事なく、ホワイトデーの言葉を口に出す美鶴。

俺なんてホワイトデーって言葉を聞くだけで眉間に皺を寄せてんのに。


「ホワイトデーは、ホワイトデーだろがっ!
お前は、返しどーすんの?」

「あぁ、お返しね。
俺は、もう注文してるよ?
あ、陽呂のもしてあげようか?」


金持ちのお坊ちゃまは、これだから困る。


「今年のマシュマロとクッキーセットは美味しいんだよ」


と言いながら、笑う美鶴を睨んでる俺になんて目もくれず、味の説明を話続けた。
< 151 / 180 >

この作品をシェア

pagetop