血の契約
第一章

始まり



むかしむかし、地上界に一つの国がありました。



その国の王様は、とても強く気高い人でした。


敵国の兵士たちを剣で一閃し、何度となく国民の害となる者たちを倒していきました。



そんな王様は皆に好かれています。


ですが、そんなある日。
王様に声が聞こえました。



「お前には、もっと凄い力が眠っている。その力を覚醒させたくはないか?」



王様は最初こそ拒絶しましたが、自分の実の弟に王位を狙われていることを思い出します。



王様の弟は、それはもう傍若無人で、弟が国王になろうものなら国民から多大な税を取り上げ、挙句の果てには、数多の女をはべらかし、自分に逆らったものはとことん処刑してしまうでしょう。


そう考えた王様は、誰ともわからない声に問うのです。



「どうすれば、その力は手に入れられる?」



すると、王様の前に黒衣を纏った女とも男ともつかない人物が姿を現します。



黒衣の人物は、王様に小さな小瓶を渡しました。







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