ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
「俺がお前を抱いたのは唯…お前の処女が欲しかっただけだ。あの夜のセックスに愛はない」



十和子は俺の頬を思いっきり力任せに平手打ちした。




「…いい反応だ…それでいい」



俺はまだ吸える煙草を携帯用の灰皿に捨てた。



十和子に叩かれた頬の痛みを堪え、給湯室を出る。




俺が諦めた女は十和子だけじゃないーーー・・・


でも、俺の素性や本当の名前を明かしたのはお前だけだ…

俺は本気で組織から足を洗い、お前と一緒になろうと思った。


兄貴も本気だ…


誰も信じられないと俺の腕の中で泣いた兄貴。そんな兄貴が信用するのはこの世界で俺一人。


俺がお前を奪えば兄貴は誰も信じられなくなる。


兄貴と仲たがいしてまでお前を奪えない…





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