ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
背筋に走る寒気。


昨日に続き、今日も私の命は危険に晒された。


私の頬にナイフを当てながら、くるりと身体を振り、店内の客にも威嚇。


身体の傷は服で隠せば、なんとかなるけど。

顔の傷は勘弁して欲しい・・・


後の二人がレジカウンターの中に入って店員を脅し、レジの金を奪う。

私は言わば、金を奪う間の時間稼ぎの囮。



「てめえ…後ろが隙だらけだ!」


「!?」


風宮さんが男の背後に立って、彼の首根っこを掴み、強い力でカウンターのおでんの中に突き飛ばした。


「あちっ!!?」
男は保温されたおでんの熱さに慌てた。

彼の拘束が緩んだ隙に、私を風宮さんは背中に隠した。



「大丈夫か?」


「はい・・・」

犯人たちには逃げられたけど。私を救った風宮さんはちょっとした英雄。





< 37 / 155 >

この作品をシェア

pagetop