ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
「お前…俺の仕事…兄貴から訊いたんだろ?」



「うん…まぁトム・クルーズの映画みたいな組織だね…」


「まぁな…」


風宮さんは私の例えに鼻で笑った。


「でも、本当にあるんだよ…仲間同士ではコードネームで呼び合う、本当の名前なんて知らない…滅多に女にも名前は名乗らない…。俺の名前を知るお前は特別なんだよ」



「…」



「危険もスリルも俺はスキだ…でも、お前と味わう…危険とスリルは禁断の香りが漂う…」



風宮さんは私の背後に回って、強く羽交い締めするように抱きつく。



バクバクと心臓の鼓動が激しく高鳴る。


闇が濃くなり、次第にベイブリッジが白く浮き上がったような感じに視界に見えてくる。


この上ないロマンチックな雰囲気。


風宮さんは私を抱き締めたまま…拘束の力は緩めず、佇む。








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