しーくれっとらぶ

「唯ー。」

『…!』


休み時間に教室で亜紀たちと話していると誰かから名前を呼ばれた。

振り返って声がした方を見ると、金髪で口にピアスを付けている派手な身なりの男が廊下側の窓から顔を出してあたしに手招きしている。

あれは1個上で3年の高橋 京(タカハシ キョウ)。
この人もあたしが体を売っている男の1人。


「唯知り合いなのか?」

『あ、うん…っ。』

訝しげに京を見つめている拓魅。
あたしは慌てて京の所に向かった。


『何で教室まで来るの…!?』

「いいじゃん、彼氏なんだし。」


そう言ってあたしの腰に手を回そうとする。
その手を払ってあたしは京を人気のない階段まで連れて行った。


『彼氏じゃないって言ってるじゃん。』

「わかってるって。でも1番候補だろ(笑)。」


京はそう言ってあたしにキスしようと顔を近付けてくる。
あたしはそれをよけて京を睨み付けた。


『教室には来ないでって言ったよね!?用があるならメールしてって。』

「ごめん、ごめん(笑)ιんな怒んなよ。」


京はそう言って笑う。
結局京は特に大した用もなかったらしく、しばらく話すと行ってしまった。















< 701 / 854 >

この作品をシェア

pagetop