しーくれっとらぶ
「なのにお前はもう龍のことなんか忘れてんだな」


慎君は顔を上げてあたしを見た。


「もう新しい男作ってさ。…龍も馬鹿だよ。こんな女のことなんか想って苦しんで……見てらんねぇよ…」


慎君はそう言い残して行ってしまった。

あたしはその場に立ち尽くしたまま動けなかった。

それからどうやって園田君の所に戻り、打ち上げ会場である山ちんの家に着いたのかはほとんど覚えていない。
慎君が言っていた言葉で頭がいっぱいだった。
他のことを考えることなんて出来なかったんだ。

ねぇ龍…龍は今苦しんでるの……?
どうしてなの……?
何故龍が苦しんでるの……?

慎君が言っていたことは本当……?

あの時龍があたしに言ったことは龍の本心じゃないの……?

だったらどうしてあたしたちは今一緒にいないの……?

どうして……?


わからないよ……。

もう何がなんだかわかんない……。












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