シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


もやもやと、胸に雲が立ち込めていく。



『長島、お仕置きしなきゃ』



そんなちぃの言葉が、脳で再生された。



「……あんたが調子にのるからこんなことになるのよ」


「調子にって……あたしが何したの?

オーディションに受かっただけじゃない」


「あんなトラブルがなきゃ、クリスティーヌには私が選ばれたはずだった!」



実里は珍しく、声を荒げた。


あんなトラブル……。


そうだった。


オーディション中、何故か実里の上に、背景幕が落ちてきたんだった……。



「そんなこと言われたって……」



あたしがやったわけじゃないのに。


完全な逆恨みじゃない。



「しかも、デザイン科の佐藤、だっけ?

涼介くんといい感じなのに、デザイン科の王子にまで手出して。

あんた、そうとう恨み買ってるからね。

母親の営業について回って、学校来ない方が身のためだよ」


「……!?」



なにそれ。


なんで、そんなこと言われなきゃならないの。


あまりの言われように、呆然としていると。


実里はさっさと、練習室から出ていってしまった。



< 118 / 245 >

この作品をシェア

pagetop