鯖を読んでる転校生=社長!?
その声とともにあたしは温かい腕に包み込まれた。

「勝手な事してごめん」

あたしを抱きしめる腕に力がこもる。

「ちょっと調子乗りすぎたよね」

彼はあたしを引き離してあたしの涙を優しく拭った。

「ごめんね、結輪」

「しゅん・・・・・」

あたしを助けに来てくれたのは旬だった。

「いやぁ、ほんと、間に合ってよかった。あの人たち噂にもなってる結構危ない先輩たちだからさ、ほんとよかった。結輪に何かあったら俺自身も気が気じゃないし、なによりきっとあの人が黙ってないだろうし。ほんと安心した」

旬・・・・・。

「まさかビンタされるとは思わなかったけど、確かに俺の行動は軽率すぎたよね」

そう言って旬は申し訳なさそうに頭を掻いた。

「しかもきぃ、じゃなくて、よしかずがいないのを分かっててずるいよね、俺。何より結輪が嫌がることをしたことが本当に許せないよ自分でも。おまけに怖い目に合わせてさ」
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