空は、見ている。
夕日を見つめて 梨唯side
「・・・ピピピピピピ。」

「ふぁ~。もう少し~」

うっすらと見える視界の中から、女が一人出てきた

「お嬢様、遅刻しますよ。今日、日直なんですよね?」

「あー!そうだったぁー」

「食事のご用意は、出来ております」

「んー。わかったー」



準備を済ませ、車に乗り込む

私の通っている海桜学園は、海が正面にあり学園の回りには桜並木がある

お母さんとお父さんが、出会った学園。

小さいころから、『高校は絶対ここ』と決めていたから。



この春、そんな憧れていた学園に入学した

茅ヶ崎梨唯(ちがさき りい)

それが、私の名前



学園に入り、誰も来ていない事を確認する

学園にリムジンで来てたら、怪しまれちゃうし・・・



私、一応財閥の娘なんです

でも、この事は他の人には秘密

だって、特別扱いとか妬まれたりとか嫌じゃん

お父さんたちも、誘拐とかの防止って言って、口外しないようにしてる

しかも、家が財閥って、学園入ってから、教えてもらったし・・・

それまでは、執事やメイドが家にいても、お父さんが『友達だよ』って言ってごまかしていた

今考えれば、家事や運転をなんで友達に任せてんの?とか思う・・・

しかも、なんで毎日いんの?ってね・・・

ほんと、自分ってバカで、無知だって思った

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