星の輝く夜空の下で
最終章

夏芽



目覚まし時計がなる
夏芽は目をこすりながら目覚ましを止めた


「夢…?」


夏芽は久しぶりに事故の夢を見たらしい

今まではまたかとなにも感じることはなかったが今日は何故か切なく感じた


リビングへ向かった

お母さんが朝ごはんの支度をしていた


「夏芽、おはよう」

「おはよう」

「聞いてよ、昨日の夜金縛りにあったのよ!」

「こわ」

「目つむりたかったけど金縛りに合うと目も開いたまま動かせなくてさ、見ちゃったの!」

「何を?」

「幽霊を!」

「へぇ」

「男の人がベッドの上でうわぁぁぁぁぁぁぁあって叫んだの!怖くて失神してまた寝ちゃったみたい!」

「…」

「うわ〜怖かった〜」

「あそ」

「冷たいな、夏芽」

「朝から聞きたくない話だったから」

「お母さんは心にとどめるのヤなのよ〜」

「はいはい」


玄関のチャイムが鳴った


「出てくる」


夏芽は玄関に向かった


「ありがとう」


玄関を開けると知らない女の人だった


お母さんより少し老けた、いや疲れてより老けて見える女性だった


「あなた、夏芽ちゃん?」


女性の第一声だった


「…はい」

「こんなに大きくなって。元気なのね」

「はい…。あの、どちら様ですか?」

「あ、覚えてないわよね、私…」

「夏芽?誰が来たの?」


お母さんは女性を見て固まった


「浅岡さん、お久しぶりです」

「どうも」


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