禍津姫戦記
 ハバキはカツラギの長であり父であるイスルギのとなりに腰をおろした。すでに、近隣の主立った里の長らは輪になってすわり、ハバキの来るのを待っていた。
 室生の里からきた八束は四十を越えた男盛りで、日に焼けて横にどっしりとした丸太のような頑健な体つきだ。水ノ江のフナジは対照的に痩せて顔が長く、ひょろりと細いひげを生やし、ナマズのようなぬめりとした顔をしている。
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