禍津姫戦記
 ハバキは眠そうな声で、むっとしたように質した。

「あ……わたしは……」

 姫夜は口ごもったが、観念したように、すなおにこう云った。

「そなたの剣に、守りの呪を封じ込めておこうと思ったのだ。驚かせてすまぬ」

 姫夜のひんやりとした手にはハバキの手は熱かった。ハバキは手をはなした。
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